ヤマトプロテック株式会社

圧延機/二酸化炭素消火設備

設置対象物の概要

圧延機は高速で回転する2本のロールの間に材料を通し、板・型鋼などの製品を加工する機械で、常温の材料を加工する冷間圧延機と加熱材料を加工する熱間圧延機があります。ハウジングの高さが3〜4mのものが一般的です。

設置対象物の火災危険

圧延機の火災危険は、ロール部に使用する潤滑油が高温になって蒸気を発生することによります。この蒸気は圧延機上部に設けられたダクトからフィルターを通して屋外に排気されます。また、潤滑油は冷却にも使用されたあと、圧延機下のピットに落ちてオイルセラーに流入して精製され再度潤滑油として使用されます。主な出火原因としては次のものがあります。

  • 圧延材料が切断・脱落して圧延機と接触し、摩擦・スパークなどで出火する。
  • 圧延機のロールシャフトが加熱して蒸気に着火する。
  • 圧延機の火災がフード・排気ダクトに付着した油やホコリなどに延焼する。

局所消火設備の構成

二酸化炭素消火設備は消火剤貯蔵容器と噴射ヘッドを配管で結び、自動起動装置(火災感知器)、手動起動操作箱、制御盤、警報装置(モーターサイレン)、二酸化炭素充満表示灯、点検用閉止弁などで構成されます。火災の拡大が速いので、設備の起動は原則として自動起動方式とします。オペレーターが常に近くにいるときは手動起動されることがあります。

局所消火設備の設計基準

噴射ヘッドの位置

  • 圧延機本体やフード、ピットには、対象物全体を消火剤で覆うことができるように噴射ヘッドを適切な位置に配置します。
  • 排気ダクトに付着した油やホコリの火災を消火するには、消火剤濃度を長時間高濃度に維持する必要があります。そのため圧延機とは別個の消火装置を設置しなければなりません。

消火剤量

  • 圧延機本体部は、圧延機本体のすべての部分から0.6m離れた部分で囲まれた空間の体積1m3あたり8kgとして計算します。
  • フードおよびピット部分は容積1m3あたり2kgとして計算します。
  • フード下面は面積1m2あたり10kgとして計算します。
  • 換気装置が停止するまでに排出される消火剤量を計算します。
  • 上記の各消火剤量の合計に液体係数1.4を乗じて必要消火剤量を計算します。

消火剤放出時間は30秒とします。

圧延機の二酸化炭素消火設備システム構成例

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