設置対象物の概要
フライヤー(油揚機)は薄揚豆腐、厚揚豆腐、フライドポテト、カリントウなどのフライ食品を作る設備で、食用油の入った油槽、蒸気や煙を排出するためのフード、ダクトから構成され、大型のものは表面積20m2を超えるものがあります。
設置対象物の火災危険
揚げ油としては引火性の高い(約350℃)天ぷら油(危険物第4類動植物油)を使用しますが、作業ミスによる異常加熱や作業中に外部からの火種で着火する危険があります。また、ダクトには油かすやホコリが付着しやすく、火種があるとダクト内部に燃え広がる危険が大きくなります。
局所消火設備の構成
泡消火設備は泡水溶液を生成するための水源水槽、加圧送水装置(ポンプユニット)、水性膜泡消火薬剤貯蔵槽、混合装置、発泡器であるフォームヘッドと、これを接続する配管などで構成されます。泡水溶液は地区制御弁によって対象区画に送られ、フォームヘッドから泡を放出します。設備には装置を制御する制御盤、警報装置などが付帯します。設備を自動起動するときは、火災感知器をフードやダクト内の適切な位置に有効に配置することが重要です。
局所消火設備の設計基準
泡消火設備は水性膜泡によるフォームヘッド方式とし、油槽、フード、ダクトの部分に泡が有効に放出されるように設置します。
- ヘッドの配置
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フォームヘッドは放出した泡が油槽、フード、ダクト部を有効に包含するように配置します。
- 泡水溶液放出量
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泡水溶液放出量は対象部分の表面積1m2あたり6.5 L/min以上とします。
- 泡放出時間
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設備の泡放出時間は、すべてのフォームヘッドから泡を同時に10分間以上放出できるように、泡消火薬剤量、水源の水量、加圧送水ポンプの容量を設定します。
- 同時放出
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隣接するフライヤーに火災が拡大する恐れがある場合、 2つのフライヤーに対して泡消火薬剤を同時に放出します。
フライヤーの泡消火設備システム構成例
