設置対象物の概要
混合機・調合機は化成品、化粧品、塗料、ゴム加工など、いろんな工程で用いられます。塗料の混合では引火性の高い危険物を扱うことが多く、化成品の調合などでは材料が危険物に該当しない場合でも、粘度の調整や作業をしやすくする目的で危険物を混入することがあります。
設置対象物の火災危険
小規模の混合・調合作業は一般にバッチ方式が採用されているため、連続方式を採用している大型の混合作業よりも火災危険が大きいと言えます。バッチ方式で引火性の可燃物を取り扱う場合は、取り出し、移し替えなどの際にうっかりミスによる漏洩や溢出などの事故が発生しています。特に塗装工場の規模や形態は千差万別であり、類似の小規模施設では人の手による取り出し、移し替えが頻繁に行われ、装置や容器に危険物のカスがこびりつき、換気や整理整頓などの安全管理を怠ると火災の危険につながります。
局所消火設備の構成
二酸化炭素消火設備は消火剤貯蔵容器と噴射ヘッドを配管で接続し、これに表示灯、警報装置としてのスピーカー、点検用閉止弁などで構成されます。操作箱による手動起動方式が一般的ですが、自動起動方式にするときは火災報知器と連動させます。二酸化炭素は低温のまま噴射されますので、空気中の湿気が凍結して視界をさえぎることがあるため注意を要します。混合機・調合機に対する二酸化炭素消火設備は、燃焼面を直接二酸化炭素で覆うように噴射ヘッドを配置しなければなりません。その際、噴射によって液体危険物が飛散しないように配慮することが大切です。
局所消火設備の設計基準
- タンク部に設置する噴射ヘッドは、二酸化炭素の噴射の勢いで油を撹拌したり吹き飛ばさないような位置に配置します。
- 消火剤量はタンクの表面積1m2あたり10kgとして計算します。
- 消火剤の放出時間は30秒とします。
- 消火設備の起動は、操作箱による手動起動方式が一般的です。
混合機・調合機の二酸化炭素消火設備システム構成例
