ヤマトプロテック株式会社

ゆるっとアウトドア防災術「高性能なレインウェアは有効な避難アイテム」 

 みなさま、こんにちは!あんどうりすです。
 さて、雨の災害が心配になる季節がやってきました。みなさんは、高性能のレインウェアを持っていますか?東日本大震災の後、現場にいるニュースキャスターたちが透明のカッパからアウトドア用のレインウェアを着用するように変わったのはご存知でしょうか?また、それ以前からアメリカのお天気キャスターは放送局ごとに提携メーカーが決まっているなど、アウトドアレインウェアの着用が常識でした。私もずっとお勧めしていたのですが、以前は今ほど一般的ではなかったのです。でも、実際に災害現場で取材される中、透明カッパとは全く性能が違うと理解していただけたのではと想像しています。

高性能なレインウェアは有効な避難アイテム

 では、何がそんなに違うのでしょう?アウトドアレインウェアは透湿防水素材を使用しています。濡れると人は体温を使って濡れたものを乾かそうとします。すると気化熱によってますます体温が奪われます。濡れない事は野外で命を守るためにとても重要な事なのです。
 これは、外からの雨を防ぐだけでは達成できません。汗をかくと蒸れて内側から濡れてきますし、服の外と中の温度差があるのに調湿できないと、結露が発生し、内側が濡れます。
 この蒸れや濡れを解消するために、目に見えない細かな穴が空いているのが透湿防水素材です。穴が小さく多孔質になっているので風も水も通しません。けれど、水蒸気は放出できる構造になっているのです。透明カッパを着て雨の中を歩いたら、すぐに蒸れてきませんか?蒸れて濡れてしまうと、雪山では低体温症で命に関わることになってしまうので装備としては不可なのです。それなのに、過酷な状況が予測される災害時、「ビニール袋で雨合羽を作りましょう」なんて呑気な事が言われているのが不思議です。

 実際に2024年の能登半島地震の災害関連死とされた方たちの中には、移動の際に雨に濡れ、避難所でも暖を取れなかったことから、衰弱して命を落とされた方の報告があります。

 毎年台風も豪雨も来ています。服の中の身体を濡らさずに避難することができて、体温低下も起こらない高性能のレインウェアを1着持っておいてください。多少値段が高くても、表示にそって適切にお手入れすれば10年くらい持たせることも可能ですし、雪や風の防寒着として日常から活躍しますよ。
 また、大人と子供のファスナーの規格が同じなら互いのファスナーを合わせることで、抱っこ対応レインコートとして0歳から使い回すこともできます。アウトドアメーカー以外でも、リーズナブルな価格帯での展開もありますので、まずはそこからでも構いません。きちんと命を守る事ができる道具を普段から使いこなしてほしいと思います。

水辺のライフジャケットは必須アイテムへ

 同じことは、消火器でもいえるのではないでしょうか?台所にあるものでその場で消火する暮らしの知恵的な情報が世にはあふれていますが、消火器を備えることが一番確実です。
 さらには、水難事故対策でも万が一溺れた時の対応法として、その場にあるものや体を使って対応する情報は多く出てきます。もちろん思いもかけない場所で、運悪く溺れるようなケースではそのような情報は重要ですが、海や川、湖で遊ぶのであれば、もっと根本的に必要な道具を持つべきです。海水は塩分で重くなっているので、淡水である湖や川とは違い、人は浮かびやすいです。その海でも、海上保安庁はシュノーケリングの際は、離岸流対策のためライフジャケットの着用を呼びかけるようになりました。
 川のように滝壺や激流のある場所では、空気の泡が水の中にたくさん入っている所があります。そうすると、淡水のため人が沈みやすいというのに、空気によって水がもっと軽くなり、人が浮かぶ事ができない場所があります。※1

 さらに、流れに対し、体が垂直に受ける圧力は流れの速さの2乗になります。流れが3倍の速さになれば9倍の力がかかるので、イメージする水の力よりも、ずっと強い圧力を感じることになります。流れが早い場所ではたとえ足首の深さでも立っていることはできません。水のこのような特性を知ると、大人であっても川でのライフジャケットはシートベルトと同じように必須である理由が分かっていただけるかと思います。

 水難事故で毎年700名以上が命を失っているのに、ライフジャケット着用は諸外国ほど強調されていません。イギリスでは、2026年までに水難事故を半減するため、ライフジャケット着用の啓発を打ち出し、欧米の児童向け番組では、どんな登場人物であっても川に入る時はライフジャケットを装着します。国内でも例えば、国土交通省は河川水難事故防止ポータルサイトで「ライフジャケットは川のシートベルト」と銘打って、ライフジャケットの使用を啓発しています。※2
 また、香川県教育委員会のように学校でのライフジャケット教育や、ライフジャケットレンタルステーションを整備することで、水難事故を防ごうとする取り組みが増えてきました。※3
 事故にあってから対処するスキルよりも、あらかじめ備える大切さを、消火器を準備しているみなさまはご存知のはずです。ぜひ、レインウェアやライフジャケットの装備でも実施してほしいと思います。

※1 公益財団法人 河川財団「No More水難事故2025」sheet69
[空気を含んだ泡の多い水(ホワイトウォーター)の中では十分な浮力が得られない。高浮力のライフジャケットがなければ短時間で危機的な状況になる可能性がある] https://www.kasen.or.jp/Portals/0/pdf_mizube/suinanjiko2025.pdf
※2 https://www.mlit.go.jp/river/kankyo/play/anzenriyou.html
※3 https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/hokentaiiku/anzen-hoken/anzen/raijake.html

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