法令改正のお知らせ

大規模倉庫の防火シャッター基準についての告示を改正(2019年4月1日施行)

消防庁では、昨年2月に埼玉県三芳町で発生した倉庫火災を踏まえ、「防火区画に用いる防火設備等の構造方法を定める件(昭和48年建設省告示第2563号)」の改正とともに、大規模倉庫の事業者に向けたガイドラインを作成しました。
消防予第93号 国住指第4751号 平成30年3月27日(平成29年2月に埼玉県三芳町で発生した火災を踏まえた対応について)

改正の経緯

平成29年2月に埼玉県三芳町で発生した火災では、大規模な倉庫において延焼が拡大し、その消火に長時間を要しました。火災が拡大した 主な原因は、主要な電気配線に直結して設置 されているアナログ式感知器の周囲などに おいて短絡(ショート)が発生したことにより、多数の防火シャッターが正常に作動しなかったためと確認されました。

告示改正の内容

床面積50,000㎡以上の倉庫の防火区画に用いる防火設備において、アナログ式感知器を設ける場合は、次の[1]または[2]のいずれかの措置を講じること。(スプリンクラー設備等の自動式の消火設備を設けた部分については対象外)

(1)短絡を防止する措置・電気配線の耐熱性の強化
加熱によるショートの恐れがある感知器の端子部分に、耐火テープを巻いて耐熱性を強化する。
(2)短絡の影響を極限化する措置・断路器の設置
ショートが起こった場合でも、その影響が広範囲に及ばないように 断路器を設置する。

大規模倉庫における消防活動支援対策ガイドライン

主な内容

建物中央部における消防活動を支援するための措置

建物の外周部に接していない防火区画の部分が存在する場合、例えば次ぎに掲げる 措置など、消防隊の建物中央部における消防活動を支援するために有効な措置を 講じることが望ましい。

(1)屋外から建物中央部に放水を行う方法
外周部と接していない防火区画の部分にスプリンクラー設備を、消令第12条の規定に基づき設置する。
(2)非常用進入口のバルコニーを消防活動拠点とする方法
消令第29条第2項(第1号を除く)。及び消則第31条の規定に適合する連結送水管を、次に従い設置する。連結送水管の放水口は、非常用進入口に設けられたバルコニーに設置する。など
(3)建物中央部に車路がある倉庫において、当該車路及び非常用進入口のバルコニーを消防活動拠点とする方法
消令第29条第2項(第1号を除く)。及び消則第31条の規定に適合する連結送水管を、次に従い設置する。連結送水管の放水口は、非常用進入口に設けられたバルコニーに設置する。など
(4)進入用階段等の踊場(出入口のある踊場に限る。以下同じ。)、付室又は 乗降ロビーを消防活動拠点とする方法
消令第29条第2項(第1号を除く。)及び消則第31条の規定に適合する連結送水管を、次に従い設置する。連結送水管の放水口は、2階以上の階における進入用階段等の踊場、付室及び乗降ロビーに設ける。など
(5)メンテナンスについて
当該ガイドラインに基づき講じた措置は、その機能確保のため、適正な維 持管理を行うことが望ましい。特に、スプリンクラー設備又は連結送水管については、消法第17条の3の3の規定に準じて定期に 点検を行い、他の消防用設備等の点検報告と併せて、消防本部の消防長又は消防署長に報告することが望ましい。